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2007年 06月 01日
娘が、今の息子くらいの年に大好きだった本。今は息子がお気に入り。
初っぱなから強烈なんだけど。 出てくる料理がまたスゴイ。 本の中には「レストランせっきゃくほうしん」が箇条書きにしてある。 ・スープを だすまえには かならず つばを いれること。 ・のみものの なかには かならず ひからびた ゴキブリを いれること。 ・ナプキンは つかわないこと。 ・ゆかは どんなに よごれても ぜったいに はかないこと。 ・でんわで よびだしを うけても いっさい むしすること。 ・たべものや のみものを おとしても そのままにしておくこと。 ・おきゃくが たのしめるように せいいっぱい サービスすること。 この7か条、かなりの部分がパリの高級レストランにも当てはまる・・・なんてことあるわけないじゃん、と思うんだけど、『パリ・ロンドン放浪記』というエッセーの中で、ジョージ・オーウェルがそう書いている。 オーウェルが文筆業で身を立てる前に、パリとロンドンで相当な貧乏暮らしをしていた頃の生活記録がこのエッセー。今、パリの部分を読み終えたところ。都市の貧困に関するピリ辛な考察にはウームと唸らされるばかりだけど、読み物としても単純に面白い。外国人労働者が集まる南京虫ウヨウヨの安宿住まいでも、宿代が払えず服を質に入れ、ようやく見つけたホテル厨房での皿洗いの仕事では、一日17時間働き詰め、束の間の休日は居酒屋で飲んだくれ。そんなドン底の日々が、小説さながらに活き活きと描かれている。 特に可笑しいのは、彼が勤めていた高級ホテル厨房の、知られざる実情についての記述。注文には時間厳守、料理は見た目、この二つだけが至上の命。だからシャンデリアや装飾品で飾られた華やかなレストランから、一歩客の目にふれない厨房に入ると、そこはまるでゴミため。床全体に食べ物が落ちたまま、靴で踏まれてグチョグチョになりゴキブリが走り回っている。そこにパンやステーキを落としても、パパッとはらって皿に載せる。滅多に手を洗わないコックが、指を舐め舐め手で盛りつけをする。狭い中ガンガン火をたく厨房は灼熱地獄で、コックや皿洗いたちから滴り落ちる汗が、料理の皿にもポタン、ポタン。これじゃあ「ゆうれいレストラン」もびっくり仰天。かなりのページ数を費やして事細かに書き連ねているので、ぜひ実際に読んで肝をつぶしてください。 まあ、実話と言っても作家の言うこと、誇張もあるだろう。だとしても読む限り、高級レストランに高い代金を支払うことが、つくづくアホらしくなってくる。よーし、私はそんな所に行かないぞ。行くもんか。行かないよーだ。これは、行けないことの言い訳なんかじゃ、断じてない、はずだと思うんだけど・・・。
by jukali_k2
| 2007-06-01 01:44
| 本
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