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2009年 01月 08日
初出勤の昨日、昼休みは大好きな早大西門近くのお弁当屋さん「いねや」にいそいそと出かける。ちょっと前に「材料費高騰のためやむをえず」と、全ての弁当が20〜30円値上がりし、550円の「あじさい弁当」は580円に。それまでが心配になるくらい良心的な値段だったので、むしろホッとしている。
食べ物屋のショーケースなんて誇大広告、実物の方がショボかったりするものだけど、いねやは明らかに実物の勝ち。(以前ブログで紹介した写真をご覧下さい。)改めて見本のお弁当を眺めつつ、私の知る限り1年以上前から出ているあじさい弁当に、いまだについてる「新登場」印が微笑ましいなーと思っていると、ん?これはなんだ? HALALと書かれたこのシール、同僚は前からあったよと言うけど気がつかなかった。包丁をもつ手のイラストが表しているのは、食材にハラールミート、すなわちイスラムの戒律にのっとった方法で屠殺された肉を使用しているということ。イスラム教は、豚肉を禁じているだけでなく、他の肉も血をすっかり抜くなど特別な方法で処理するよう定めている。厳密に従えば外食は相当難しいだろう。一日大学にいなくてはならない留学生で、「いねや」のおかげで助かっている人は多いと思う。 ところで、いねやで弁当を注文すると、おばさんが調理場のおじさんに向かって「あじさい、ドゥア!」などと言うのが気になってた。どうもこれは、いねや独自の符丁のようで、数字にインドネシア語を使っているらしく、例えばドゥアは2だ。人づての話で定かではないが、いねやのおじさん、若い頃に海外青年協力隊かなにかで訪ねたインドネシアにすっかり魅せられて、大学の長期休みには店を閉め、そのたびにインドネシアに滞在してるということだ。日本在住のイスラム教の人たちへの配慮に、おじさんが長年の経験で培った「他者」への暖かい眼差しを感じる。 それで思い出したのは娘が小2の時のこと。転入してきたウクライナの女の子をめぐって、保護者同士で議論になった。ウクライナ人のお母さんは「手を洗ったり、ぞうきんをしぼったりする廊下の水場で、子供が水を飲むことが堪えられない」と、自分の子には水筒に水を入れて持たせていた。それを他のお母さんが「一人だけ特別扱いするのはおかしい」と問題にしたのだ。ウクライナでは「トイレの水を飲め」と言われるのと同じ、と主張するそのお母さんに、抗議する方は「水道に衛生の問題はない、他の子供の教育上、郷に入れば郷に従え」の一点張り。それに対して私が「健康に害はなくても精神的苦痛に配慮するべき。教育上、と言うのであれば、異なる考え方や生活習慣に理解を促す方が大事」と反論し、抗議したお母さんと大バトルになった。面白いのは、バトル相手の彼女が思春期のほとんどを海外で暮らした帰国子女であり、自身が異文化になじむ努力をしてきたからこそ、その大切さを説いていたという点だ。異質な他者としての自分の経験から引き出されるものは、また様々だ。その年度末に私たち家族は引越し、娘は転校したため、水筒問題の顛末は知らない。 さて、ハラールミートは普通の肉より手間がかかるだけ高いだろうし、値上げはやはり必然との思いを強くしつつ、今年の初弁当はちょっと奮発して680円の鮭弁当に。 こちらは豚肉も使っているのでハラール印はついてない。それにしても2cm以上あろうかという分厚い鮭の切り身に、カリッと揚げたての海老フライ2本、日替わりの総菜3品とデザートの果物つき、あじさいより大きめケースでもやっぱりフタがしまらないボリュームたっぷりの豪華弁当でこの値段。早稲田の良心「いねや」、今年も通わなくっちゃ!
by jukali_k2
| 2009-01-08 21:53
| 食べる飲む
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