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2008年 08月 06日
ティム・オブライエン『僕が戦争で死んだら』で何度も引用されていたヘミングウェイの『武器よさらば』を読んだ。光文社の古典新訳シリーズだ。古典がどんどん新訳で出ていることの賛否があるみたいだけど、少なくとも書店で探しやすいのはいい。まだ読んでないと言うのが恥ずかしいような「取りこぼし」が多々あるので、もちろん恥ずかしい思いをしないために読書をするわけではないけれど、とりあえず古典といわれるものは読んでおこうと今更のように決意する。
とはいえ「死ぬまでに読まなきゃリスト」は増える一方。大体、ヘミングウェイが古典って言ったって、20世紀でしょう?遡ったらもうキリがない。これじゃ到底死ぬまでに間に合わないと考えれば空しいけれど、一生退屈しないですむと考えれば、まあ喜ばしいのかもしれない。 それはともかく、その「あとがき」にヘミングウェイ独特の簡潔な文体について、自身が語っている言葉が紹介されていた。 わたしはいつも、「氷山理論」に基づいて書くようにしている。つまり、本体の七、八割が水面下になくてはならないということだ。わかっていることは削ればいい。そうすれば氷山は強くなる・・・ 出典元が American Literature Web Resources と書いてあったので、探したらすぐ見つかり、これが1958年の言葉だと分かった。『武器よさらば』の巻末年表を見ると、この時ヘミングウェイは58才。その3年後の1961年、彼は散弾銃で自殺する。享年61才。 電報のような素っ気ない短文の繰り返しから生まれる躍動感が心地よく、一気に読んでしまったけれど、水面下に隠された巨大な氷の塊を、私は本当に読み切れていたのかしら。古典は何度も読み返すもの、4度目くらいから面白くなってくる、と『武器よさらば』の前に読んだカルヴィーノの短編集に書いてあったから、これも読み返すべきなのか。ますます時間が足りないよね・・・ 蛇足だけど、あとがきを書いた訳者自身も指摘してるように、氷山の隠れている部分は7〜8割ではなく、実際は9割だ。なんか微笑ましい勘違いではある。
by jukali_k2
| 2008-08-06 23:51
| 本
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