以前の記事
2010年 08月 2010年 06月 2010年 05月 2010年 03月 2010年 02月 2010年 01月 2009年 12月 2009年 11月 2009年 10月 2009年 09月 2009年 08月 2009年 07月 2009年 06月 2009年 05月 2009年 04月 2009年 03月 2009年 02月 2009年 01月 2008年 12月 2008年 11月 2008年 10月 2008年 09月 2008年 08月 2008年 07月 2008年 06月 2008年 05月 2008年 04月 2008年 03月 2008年 02月 2008年 01月 2007年 12月 2007年 11月 2007年 10月 2007年 09月 2007年 08月 2007年 07月 2007年 06月 2007年 05月 2007年 04月 2007年 03月 2007年 02月 2007年 01月 2006年 12月 2006年 11月 2006年 10月 フォロー中のブログ
西南西ドイツ日誌 (旧) めがね職人の店プリーマ 子連れ犬連れドイツ日記 ドイツ 中学生日記 入れ歯とインプラントの日記 Keep Challen... 通訳Mのお仕事日記 今を生きる コロンバスに... 千葉らしき哉、人生! 国際協力NGO事務局の「... my territory なすびの花は無だばかり ドイツカンマームジーク カテゴリ
検索
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
2008年 03月 18日
夕方混み混みのイトーヨーカドーでレジ待ち中、娘と激論になった。その説明が長くなりそうで、どこから書いたらいいのやら。
昨日は、中学で月一度開催されるPTA運営委員会の日。学年代表委員の私は、仕事を半休して出席し、会合が終わるや自転車→小田急バス→中央線→東京メトロと乗り継いで職場に猛ダッシュ。ワーッと仕事を片付け、帰りがけにヨーカドーで家族と待ち合わせ買い物する頃は、疲れてヘロヘロに。そのせいもあり、運営委員会の席で聞いたカチンとくる発言について、娘に語気荒く解説しだした。 「1人のお母さんがね、出席してる校長に直談判してんの。2年生の女の子にピアスして派手なセーター着てる子がいるんだけど、担任の先生はキチンと指導してないようだから、校長から担任に言ってくれって。同じ学年の子たちから『不公平だ』という声がかなり強くあがってますって。その『不公平』って言い方おかしくない?校則を守るかどうかっていうのは、その子自身の問題じゃん。周りの子に『あの子だけ派手なセーター着てズルイ、不公平だ』って思われるから校則を守らないといけないわけじゃないでしょ。みんな我慢してるんだからお前だけ我慢しないのは不公平だっていうのは変だよ。」 そうだよねー、と同意するものとばかり思ってたのに、娘は猛烈な勢いで噛み付いてきた。 「不公平って思うのは当然だよ!1人だけ怒られないで許されて、なんで特別扱いなのって思うじゃん!ママは生徒の気持ちが分かんないんだよ!」 こういう時に冷静に議論できないから、親子って難しい。「てっきりこうだと思ってたのに」というのが一番いけない。娘など思い通りになるわけないと、親の私はいつになったら学習するのか。とにかく必要以上にムカッときた私は、断じて引いてなるものかと意地になる。 「ずるいって気持ちを『感情』として持つことと、それを校則を守らせる言い訳にするのとは全然違う。その子だけずるいと思うなら、自分も先生に叱られるかもというリスク覚悟で派手なセーター着てピアスすればいい。校則は、みんなが守ってるから私も守るってもんじゃない。『不公平』なんて言葉を持ち出して、ずるいっていう感情を正当化するのは間違ってる。」 親が正論をぶつと、それは子にとって「権威を振りかざす」ことと同義になる。そして「権威を疑え」とは私自身いつも言ってることだったりする。娘は私を頑として受け入れず、校則の中で生活してないママには分からない、の一点張り。オロオロと心配そうな息子と、気まずさを悟られまいと健気な笑顔を浮かべるレジの女性が見守る中、議論は平行線のまま。夫の待つ駐車場まで来て、ようやく打ち切りとなった。 だけど「てっきりこうだ」と思い込む理由が私にはあった。娘の中学での経験を考えれば、彼女はむしろ「派手なセーターにピアス」で逆境の中にある女の子の立場により近く、理不尽な校則と、さらに理不尽な「校則に明文化されない常識と呼ばれる無言のプレッシャー」に強く反発していたはずなのだ。親の私は、そんな娘の言い分をもっともだと思ったし、彼女の義を貫こうとする姿を誇らしくさえ感じていた。 その娘が何に反発したのか。疲れで愚痴っぽくなった私の、「上から目線」で世間を批判する態度を嫌ったのかもしれないし、派手なセーターの女の子についておそらく具体的に知る娘の、微妙な感情が働いたのかもしれない。でも、なにより根底には「もういい!」という拒絶の意思があったんじゃないか。彼女が彼女の考えで学校なり校則なりに反発することに対して、私から過剰な期待やプレッシャーを感じ、それに対してNo!と言いたかったんじゃないか。娘は、母親の義のために反発しているのではない。学校を中心とした子を取り巻く環境を、親が批判することの難しさを感じる。「校則」のただ中で必死に生きているのは子であって、親ではない。知らないくせに外から言いたい放題の私が、決して銃弾に倒れることないお気楽ポジションからの戦局批評家に見えたとしても不思議じゃない。 それを分かった上で、でも絶対に譲れない一点をどう娘に伝えるか。ヨーカドーから家に向かう車中も、夕食の支度中も(もっとも夫がほとんど準備しててくれたので、私は仕上げだけでラクチンだった)、出来上がって食事中も、息子を風呂に入れながらも、その後に歯を磨いてあげながらも、息子が寝てしまった後で食器を洗いながらも、ずーっと考え続けた。そして娘が「オヤスミ」を言いにきた時に、考え続けたことをそのまま言った。 「不公平は公正を欠いた状態のことであって、『ずるい』とは違う。もし誰かが他の大勢よりも得をしていると思った時、それが他の誰かの犠牲の上に成り立っているのなら、『不公平だ』と言いなさい。そうでなければ、ずるくはあっても不公平じゃない。だけど、もし誰かが明らかに損してる、不利益を被っていると思ったら、その時は堂々と『不公平だ』と言いなさい。」 不承々々ながら「うん」と答える娘、どう見ても納得してるようには見えず。頑固でしつこい親の娘は、やっぱり頑固でしつこい。そんな娘もあと数日で、理不尽な校則に満ちた中学を卒業する。そして4月からは、娘自身が選んだ高校ーー私服OKピアスOKの、およそ校則とは縁の遠い自由な高校に通い始める。
by jukali_k2
| 2008-03-18 12:09
|
ファン申請 |
||